イメージカットのテーマ
撮影にはZEISS Batis 2/25とSONY α6300を使用しました。
おでんのイメージ写真に挑戦してみました。
今回はおでんの歴史を紐解いておでんのもとになった田楽、レシピサイトで見かける多様なおでんの種やご当地タネ、他にも出汁に使う素材を被写体に使いおでんの世界観を表現しました。おでんもなかなか奥深いですね。
色々な素材や料理が出てくるので雰囲気というより説明的にしてみようと思います。こういう場合は真俯瞰で撮るのをおすすめします。真俯瞰ってちょっとおしゃれな感じがしませんか?
他にもおでんの自然光やストロボを使っての撮り方についての記事もあります。リンクを下に貼ったのでぜひご覧ください!
では目次です。
使用した機材とおすすめスペック
機材リストです
- カメラ:SONY α6300
- レンズ:ZEISS Batis 2/25
- ストロボ:Profoto B2 (ヘッドは二灯)、Profoto OCF ソフトボックス 40x40cm
- 三脚:三脚ではなくスタンド+アーム+自由雲台
- レフ板:中型の大きさ、ディフーザー面を使用
おすすめスペック:カメラとレンズ
ミラーレス一眼レフを使いました。おすすめはレンズ交換ができるカメラ。もしくは焦点距離が25mmくらいのレンズが付いているコンパクトカメラも可。外部ストロボを連動させるのでホットシューが付いているものが必須です。
シンクロコードを使用するストロボはカメラにシンクロ接点を使いますが、ない場合はシンクロコードとホットシューをつなぐアダプターが必要ですね。
レンズは25mmの焦点距離のものを使いました。α6300のセンサーはAPS-Cサイズなので実際の焦点距離は約38mmです。普段のメシドリには使わない焦点距離です。なぜなら広角レンズはパース、つまり遠近感が目立ってしまうからです。ただ真俯瞰から平面に撮る時はパースが目立たないんです。真俯瞰撮影が多い場合は35mmあたりは使いやすくおすすめの焦点距離です。
おすすめスペック:ストロボ
profoto B2とヘッドを二灯使いました。一灯ではちょっと光量が足りなかったです。
キーライトにはソフトボックスという光を柔らかくするものをヘッドに付けています。
そしてフィリングライトはディフーザーを一枚被写体とヘッドの間にいれています。これはレフ板のディフーザーを使用しました。
profoto B2は現在後継機も出ていて人気のストロボでした。バッテリータイプで外ロケでも重宝します。ヘッドは二灯も用意すれば料理単品や一人分のコース料理の大きさの写真はしっかりとれます。
おすすめはコストを考えた上で、出力が200W以上のモノブロックです。モノブロックとはヘッドのみで使える小型ストロボです。出力が低いものはISO感度を上げればいい場合もありますが、大きいに越した事はないです。
クリップオンタイプはカメラから外して使えるものが便利。モノブロックタイプほど出力はないのですがこちらも単品や定食くらいの規模なら大丈夫です。
モノブロックタイプもクリップオンタイプも二灯あると安心ですね。
三脚
真俯瞰の撮影なのでアームとよばれるものが便利です。今回は三脚ではなくスタンドにアームをつなげその先に自由雲台をつけてカメラを置きました。最近はアームがついている三脚もあったりしますね。
もちろん精神を集中して手持ちで撮っても大丈夫ですが、くれぐれも椅子から落ちないようにお気をつけください。
レフ板
白や銀の面の他にディフューザーや金や黒など便利な面がひとつのレフについたタイプを使用しています。かなり便利でおすすめです。
今回はディフューザー面の使用です。
被写体のセッティング
テーマは「おでん史」
テーマ。
「おでん史」
…。
ちょっと大げさかもしれませんが、撮影の際にいろいろ調べているうちに発祥が室町時代だったり、最近ではトマトを種にしていたりわりと驚きでした。
おでんは団らんや暖かさが連想されると思うので、それも含めた賑やかさを撮りました。
イメージを描いてみる
テーマが決まったらイメージを描いてみるのもおすすめです。お皿の数があると配置に悩むこともありますね。ざっくりといいのでお皿などの撮影素材の配置バランスを実際に描くことはおすすめです。
賑やかさ出すには
色のある種
おでんの種はいろいろありますが、結構茶色が多いですよね。なので意識的にトマト、ブロッコリーなど色のあるものを入れると賑やかになりますね。
とにかく素材を集める
撮影してもしなくても、思いつく撮影素材は用意しておくといいですね。鰹節や大豆など質感や大きさの違うものは使いやすいです。
構図決めと照明のセッティング
構図の決め方
まずはざっくりとお皿をならべてみましょう。料理は撮る直前にフレームに入れたいのでお皿のみをまず使いましょう。
カメラを撮影台の真俯瞰にセットして、写る範囲を確認。例えばセロテープを範囲の四隅に貼るなどなにか印をつけてもいいですね。撮影素材の配置がしやすくなります。
真俯瞰なのでカメラが斜めにならないように気をつけましょう。
ポイント
- ファインダーの中央と被写体の中央を重ねる
- カメラを撮影台と平行にする
- 写真に撮りたい範囲よりひと周り大きく撮る使いやすい
キーライトの位置
キーライトは左のクロスに置きました。真俯瞰で見た時にちょうど左上あたりから光が入るイメージです。高さはローミディアム。
こちらも被写体の登場前にある程度決めていきますが、余裕があれば登場後にも写真を試し撮りしながら詰めの調整をします。
ライトの位置をライトポジションといいます。ライトの位置についてのリンクもあります。キーライトって何?って思った方は下に貼ったURLから記事をぜひ覗いてみてください。
フィルインライトの位置
右クロスで高さはアンダーです。キーライトの反対側で被写体を挟み込むイメージですね。
撮影データ
1/160, f14, iso100, wb: 4200
撮影モード
マニュアルモードです。フォーカス以外のカメラの動きを設定します。
シャッタースピード
1/160に設定しました。このカメラでストロボを使う時の一番、高速な数値です。カメラによって変わりますよ。シャッタースピードをあげてストロボ以外の光を入れないようにしましょう。
F値
f14まで絞りました。被写界深度を深くします。撮影する料理や材料などすべてにピントが行くようになります。レンズによりますが絞り過ぎると解像度が落ちるんで絞り過ぎないのがおすすめです。
ISO
ISOの感度は100にしました。
ホワイトバランス
普段は5000に固定してます。が、ホワイトバランスは4200です。というかまたまた設定をとばしてしまった…。rawデータなので特に問題なく、撮影後に画像ソフトで調整できるので…。最終的にはテーマの「暖」に合わせて5000~5300あたりにする予定です。もちろんあらかじめセットしても大丈夫です。
ピント
オートフォーカスですが、ピントの場所はしっかり指定しましょう。中央の鍋にはいったおでんに合わせました。
α6300の罠
α6300にはサイレント撮影って設定があってこれが切っていないとストロボがシンクロしないんです。カメラの通知ですぐに解除まで至ります。Sonyさんは親切ですね。最初は慌てましたが…。
今回の撮影のポイント:お皿の置き方
お皿を並べる時の秘訣をちょっとご紹介
左上、中央、右下に
写真を見る時、目線は左上から右上、右上から左下、左下から右下へと流れていきます。ちょうどZの形みたいになります。そこで左上、中央、右下へと特に見せたいものを置いて流れをつくるときれいにまとまります。これ、先輩やデザイナー、クライアントに若いころはよく教えられましたよ…。
埋めすぎない
左上、中央、右下に目立つものを置いて、他のスペースはバランスをみて素材を配置しますが、隙間は埋めすぎないのがおすすめ。
空白も撮影素材の一つとして大切にすると品よく見えますね。
画像補正:肉の色に注意
現像ソフト
lightroomを使用しました。他のカメラメーカーで提供しているソフトでも問題ない程度の簡単な画像補正をします。
現像ソフトを使用する場合はrawで撮るのがおすすめです。jpegのデータはお手軽な分、画像をいじると色のバランスが崩れます。容量は重くなってしまうのですが、rowで撮ることをおすすめします。
補正内容
- 露光量を+0.7にして、明るく設定
- 切り抜きと角度補正で傾きをちょっと直して、意図した構図にトリミング
- 色温度5050にあげて暖色にします
- 好みでコントラストを下げました。昆布の質感を出します
- 自然な彩度を+15に、色彩をほんの少し強調
- 彩度は-1に。不自然にならないように抑えました
- テクスチャ+15と少しあげ質感を出しました
今回の補正のポイント
暖かさと賑やかさを表現するにのに全体を暖かい色調に
色温度を5050にします。
他の調整もそうですが好みで加減を変えます。大切なのはやり過ぎないことなので、初めの内は他の人に見せて感想を聞いてみましょう。
手羽先の色に注意
ところで料理の写真を見た時、肉の色って気になりませんか?
肉って青みがあると新鮮さが感じられませんよね?
肉の色って無意識でも鮮度を感じていると思います。写真の手羽先は青の色味が入っていておいしくなさそうでしたが、色温度を上げることによってこれも解決しました。ここは要注意ポイントです。
最後に
いかがでしたでしょうか?
お皿の並べ方はいろいろ試しても結局「左上、中央、右下」に落ち着いてしまうんですよね。ぜひみなさんも試してみてください。
イメージを自分で作るのは楽しい作業です。おでんについて幅広く調べたので、食べるおでんの味も一味変わりましたよ。