ティルトシフトレンズってご存知ですか?
簡単に言うと煽り(あおり)の出来るレンズをティルトシフトレンズといいます。
「あおり」って何でしょうか?
あおりとは、ピントの合う範囲を自在に変えて、被写体や画面全体にピントを合わせる事です。
他にも「逆あおり」といって、ものすごくピントを浅くしたり、またピントの範囲を斜めにしたりして、表現の幅を広げることの出来る操作です。
ボケを絞りを使わずに、表現できます。
ところでこの記事は、ティルトシフトレンズを料理撮影用に購入するのを、迷っている方へのアドバイスする記事です。
なのでティルトシフトレンズを初めて聞いたって方には、あまり向かないかもしれないです。
それでま、ざっくりとした説明ですが、初心者にもこのタイプのレンズの概要は、わかるように書いています。
ティルトシフトレンズって何って、興味を持った方もぜひ読んでみてください。
あなたはティルトシフトレンズについて下記のように思っていませんか?
このような疑問にお答えします!
- 料理撮影では、どの程度使えるのか?
- 高価だけど、もとはとれるか?
- 使い勝手、ティルトシフトの操作は難しいのか?
- ニコン、キャノンが主に製造していて、SONYなどでは使えない?
- どのレンズを、料理撮影に使っていいかわからない
プロフォトグラファー歴17年超のわたくしyamahkyがあなたへお伝えします。
プロから学ぶ料理写真のコツ、それがメシドリ
メシドリでは最小限の機材と、少ない手間でいい感じに料理を撮れる方法を、分かりやすく簡単に紹介しています。今回は中級レベルです。
この記事を読むとこんなことが分かります。
実は料理写真は必ず、ティルトシフトレンズを使って撮っています。
個人的なスナップでも使いますし、個人的にこのタイプのレンズが大好きです。
もう10年近く使っています。
最高にいいレンズです!って感想をお伝え出来るとうれしいです。
煽りとは?料理撮影に最高なメリット2つ
その1 かなりのボケも全ピンも、煽りでピントの範囲が自在
再度ですが、煽り(あおり)というのは、カメラの基本的なテクニックです。
簡単に言うとピントがあたっている箇所を、任意の範囲に変更し、被写体全体にピントを当てる事です。
逆にピントの範囲を狭く、つまりボケを強くすることを逆あおりと呼びます。
ピントの範囲は絞りを調整するだけではなく、あおりという操作で決めることができるのです。
もともとはレンズでの操作ではなく、カメラの本体側を駆使して操作していました。
現在も4x5カメラより大きいフィルムフォーマットのカメラボディーではこの操作ができます。
これを使って、絞り操作以上にピントの範囲を広げたり、ぼかしたり、自由自在です。
下の写真を見比べてもらえるとわかりますが、同じ絞り(F4)で撮影しているのに、ティルト機能を使ったためボケが大きく変化しています。
※この三枚の写真のレンズ絞りは、全てF4です。
その2 大きくプリントしてもかなりキレイ、A0サイズも!
ニコンやキャノン製が主ですが、一般的に高価です。
でもその分、抜群のクオリティーです。
もちろん、ボディーの性能と撮影条件も関係しますが、レンズ単体で考えると解像度は十分です。
A0サイズ(84.1センチx118.9センチ)以上でも十分な見栄えになります。
使い倒す価値はありますね。
高価…。でも、もとはとれます。途切れない料理の撮影依頼のわけ
途切れない料理の撮影依頼
料理の撮影の依頼はありますか?
そんな時、安価なズームレンズの使用は避けたいところです。
なぜならクライアントも同じレンズを、所有しているかも知れません。
クライアント側に、自分でも撮れそうって思われるのは、避けたいですよね…。
それよりティルトシフトレンズを、いとも簡単に操作している姿を見てもらう方が、あなたの技術に説得力も出て次の案件に繋がることも、多いのです。
高価なレンズに支払った代金も、すぐに回収できます。
ミニチュア写真も撮れます
料理以外でも、とにかく遊べます。
普通の風景をミニチュアの様に撮った写真を、見たことある方も多いのではないでしょうか?
あれは逆あおりの効果ですね。
ピントの合った範囲を狭くして、撮影したものです。
ボケを利用して通常とは違う視覚効果を出して人気になりました。
実はティルトシフトレンズを使えば簡単にできます。
絞りを開放で撮るだけではなかなかああはならないです。
個性的な写真に、仕上がる場合が多いです。
デジタルの恩恵。操作が簡単に覚えられる。
デジタルカメラだからこそ
ティルトやシフト機能を操作するには、慣れが必要です。
操作にはちょっとした、コツがいります。
でも短い時間での練習で習得できます。
そしてデジタルなので撮り放題です!
大判カメラ習得に
大判カメラに興味がある方は操作の練習にもなりますね。昔はフィルムなのでその分出費をかけて練習しました…。
ちょっとだけマニアックな話です。
昔からある大判カメラのほとんどに、このあおりの機能が付いています。
レンズ操作ではなく、ボディーの蛇腹を駆使してあおります。
将来的に4x5や8x10サイズのフィルムを使ってみたいという方は、あおり操作を把握できるのでお得です。
デジタル化の難しい大判カメラです。そのフィルムは年々高価になります。
ぼくはこのティルトシフトレンズの使用で、フィルム代を捨てることなく操作を習得出来ました。
それくらい簡単で使える操作なんです!
料理撮影で使えるティルトシフトレンズ4選
今回はニコンとキャノンから、製造販売されているものを選びました。
僕は現在ニコンユーザーなのですが、どちらのメーカーも高品質なティルトシフトレンズなので、甲乙つけがたいです。
どのレンズにするかは、使っているメーカーと好みの焦点距離によって、おのずと決まりますよね。
選んだ4本は焦点距離は45mmと50mmの標準レンズと、85mmと90mm中望遠です。
この焦点距離の範囲が、料理撮影に向いています。
標準と中望遠の焦点距離の違いによっての写り具合は、変わりますよね。
違いを作例で紹介した別記事があるので、参考にしてみてください。
料理撮影に結果を出せる!最も適した焦点距離とは?(APS-C編)
個人的には中望遠をお勧めです。
そして一番長く使っているのがニコンのPC-E Micro NIKKOR 85mm f/2.8Dです。
10年近く料理撮影に使用しています。
このレンズはニコンのサービスセンターで、リボルビングという回転方向を改造をしています。素晴らしい画質とティルトシフトの恩恵で、うれしいレンズでした。
キャノンもティルトシフトレンズを、すべてL シリーズへと刷新しています。
この二本は使用したことは正直ないのですが、間違いない品質のはずです。
ニコンレンズの、おすすめティルトシフトレンズ
PC-E Micro NIKKOR 45mm f/2.8D ED
キャノンレンズの、おすすめティルトシフトレンズ
レンズマウントアダプターでニコンやキャノン以外のボディーにも簡単で安価に取り付け
Commlite CM-ENF-E1 PROを使用しています
ソニーなど他のメーカーにニコンやキャノンレンズを使用したい場合は、変換アダプターを使用する手もあります。
ニコンレンズ+ソニーEマウントにするために、個人的にはこのアダプターを使用しているのでご紹介します。
具体的にはsony α6400,α6300に、ニコンレンズをつけています。
多くのレンズではオートフォーカスも問題ない程、いい感じで動作します。
しかし、PC NIKKOR 19mm f/4E EDのレンズは絞りの数値を認識せずに、F値を変えることが出来ませんでした。
PC-E Micro NIKKOR 85mm f/2.8Dは、問題なく絞りを変えることができました。
ニコンFマウントレンズ → ソニーEマウント変換で電子接点付きですが、やはり使いたいレンズが対応しているかどうかは事前に確認した方が良さそうです…。
Commlite レンズマウントアダプター CM-ENF-E1 PRO
注:これはニコンレンズ用です(ニコンFマウントレンズ → ソニーEマウント変換) 電子接点付き。
Commlite レンズマウントアダプター CM-EF-E HS
注:これはキャノンレンズ用です(キャノンEFマウントレンズ → ソニーEマウント変換)電子接点付き。
最後に
まったくおすすめしないレンズマウントアダブター
最後におすすめできないレンズマウントアダプターのしょうかいです。
焦点工房から以前出ていた、シフトが出来るレンズマウントアダプターがありました。
これは、お勧めできません。
購入したものはハッセルレンズをニコンFマウントに取り付け、ティルトやシフトさせるものでした。
夢のような、アダプターだったのですが…。造りが貧弱で衝撃が加わると、すぐにバラバラになりました。
3万円程を無駄にしました…。もちろんレンズの落下の危険もありました。
ピンバック: 料理撮影に結果を出せる!最も適した焦点距離とは?(APS-C編) | メシドリ: Food and Photo